魚の品種改良や陸上養殖など、水産の未来を拓く最新技術によってわたしたちの暮らしや社会はどう変わる?「2050年の当たり前」シナリオを描く。

魚の品種改良や陸上養殖など、
水産の未来を拓く最新技術によって
私たちの暮らしや社会はどう変わる?
「2050年の当たり前」シナリオを描く。

食べたくても、
食べられない

豊かな海に囲まれ、天然の魚を“生”で食べる文化が根付く日本。魚介類アレルギーのために「食べたくても、食べられない」人は多く、アニサキスなどの寄生虫やウイルスによる食中毒リスクともいつも隣り合わせ。

おうちで魚料理は
ハードルが高い

魚は季節ごとにさまざまな味わいが楽しめるうえ、栄養価も高い食材。一方で、「下ごしらえがめんどう」「小骨が多い」など、調理に手間がかかり家庭では敬遠されがち。

寿司ネタが
消える!?

漁獲量の減少や、養殖魚の死滅など、地球温暖化による海水温の上昇が水産資源の確保に悪影響を及ぼしている。これまで当たり前に食べられていた、さけやマグロ、鯛といった魚介類がスーパーや寿司屋から消える可能性がある。

地元で馴染みの
魚が獲れない

気候変動により日本近海の海水温は過去100年間で平均すると約1.3度上昇。これまで獲れていた魚が獲れなくなったり、違う魚が獲れるようになったり、各地の漁業状況は日々変化している。一方で、地域に長年根付く、漁法や加工、流通の仕組みを常に変化させることは難しい。

60歳以上の男性が
半数を占める

伝統的に男性中心の漁業界。現在は60代以上の男性が中心で、働き手不足が深刻化している。約30年で漁業に従事する人の数は6割ほど減少。自然環境に左右される不安定な労働環境や重労働などに起因した後継者不足も大きな課題となっている。

and more…

あなたの未来は
どう変わる?

2050年の当たり前

グルテンフリー・アルコールフリーのように、「〇〇フリー」な魚介類がスーパーに並ぶ!

選択肢を広げる

食べたい!が叶うリスクフリー

品種改良技術や陸上養殖によって、ノンアレルゲンのエビ、アニサキスがいない魚、当たらない牡蠣、毒なしフグなど、「〇〇フリー」な魚がグルテンフリー・アルコールフリーのように市民権を得て、スーパーに当たり前に並ぶように。子育て世代、高齢者、アレルギー当事者を筆頭に、安全性の観点で消費者全員の選択肢が広がる。

新しい選択肢ができる!
2050年の当たり前

小骨少なめ・ウロコなし…調理の手間を省く品種改良で日々の食卓に魚料理が並ぶ頻度が高まる!

食卓を変える

めんどうレス、おいしいプラス

小骨少なめ、うなぎのようにウロコなしなど、調理の手間を省くことにつながる品種改良で、共働き家庭、小さい子どもがいる家庭、一人暮らしの若者・高齢者など、料理に時間や手間をかけられない人たちも、気軽においしく食べられる選択肢として魚が選べるようになる。

魚料理がもっと身近に!
2050年の当たり前

お寿司、刺身…
多様な魚介を生で楽しむ、日本の食文化が持続可能に!

食文化を守る

寿司FOREVER!

ゲノム編集など最先端の品種改良技術や、陸上養殖技術により、環境の変化に対応した安定的な⽣産(養殖)ができるようになることで、自宅でも寿司屋でも、鮮度の高い多様な魚を日常的に生で楽しむ海洋国家・日本ならではの食文化が守られる。

いつまでも好きなネタが食べられる!
2050年の当たり前

地魚文化が復活!
全国津々浦々、おいしい魚が食べられる

地域産業の発展と観光への貢献

魚介がウマい国ニッポン

魚介類を海に獲りにいくのではなく、地球環境の変化や食べる人のニーズに応じて品種改良を行い、各地に根付く魚介類として生産されるようになる。
牛や野菜のように地域の特産品としてブランド化することで、それを求めて人々が土地に訪れ、飲食店などにもその輪が広がり、地域経済が潤う一助に。

地域が魚で盛り上がる!
2050年の当たり前

若者や女性など
幅広い人が参画

新しい職業の創造

水産業を拓く、陸の漁師

野菜も品種改良され、その最適な飼育環境としてハウス栽培が広がったように、品種改良によって新しい価値を持つ魚が生まれ、その魚が快適に生育できるスマート陸上養殖が誕生する。これにより、自然環境に左右されない、自由で安全な働き方ができるようになることで、若者や子育て中の女性など今まで漁業に従事していなかった人が参画するようになる。さらに、サラリーマンと兼業する生産者など、新しい働き方を選択する人が現れる。

新しい職業ができる!